Shopify制作会社の実務から見る、サイト納品時の所有権移行と支払い通貨について

Shopifyパートナーとしてクライアントのストア構築を請け負っていると、
制作そのもの以上に「納品時の手続き」に注意を払う必要があると感じます。

先日、実際の案件を通じて
「これは事前に共有しておいた方がよい」
と強く感じた出来事がありました。

今回は、Shopifyを初めて利用するクライアント案件で起きた
所有権移行と支払い通貨に関する注意点について整理します。


Shopifyパートナーとしての一般的な納品フロー

弊社では、Shopify案件において以下の流れで進行することがほとんどです。

  1. Shopifyパートナーアカウントで開発ストアを作成

  2. デザイン・構築・各種設定を実施

  3. クライアントを管理画面へ招待

  4. 最終確認後、ストアの所有権をクライアントへ移行

クライアントがShopifyを初めて利用する場合、
この過程で Shopifyアカウント自体の新規作成 が発生します。


所有権移行後に判明した「ドル建て請求」

今回のクライアントは、Shopifyの利用経験がありませんでした。

管理画面の
[設定]→[ユーザー] からクライアントを招待し、
管理者権限を付与した上で、ストアの所有権を移行しました。

移行作業自体は問題なく完了しましたが、
その後クライアントから
「Shopifyの利用料金がドル表示になっている」
という連絡がありました。

確認すると、クライアントのShopifyアカウントにおいて
支払い通貨がUSD(米ドル)に設定されていました。


円安局面では無視できない実務的な影響

現在の為替状況を考えると、
ドル建てでの請求は日本円払いと比べ、実質的に割高になります。

金額の問題以上に、

  • クライアントが意図しない形でコストを負担すること

  • なぜその金額になるのかが分かりにくいこと

これらは、制作側として事前に配慮すべきポイントだったと感じました。


Shopifyサポートのチャット対応に助けられた

状況を整理した上で、Shopifyサポートへチャットで問い合わせを行いました。

対応してくださったスタッフの方は、
状況を丁寧に確認したうえで、

  • クライアントの支払い通貨を
    日本円(JPY)へ変更可能であること

  • 変更後は、日本円で問題なく支払いが行えること

を明確に案内してくださいました。

結果として、クライアントは無事に日本円での支払いに切り替えることができ、
大きなトラブルになることなく解決しました。

的確に対応してくださったShopifyサポートのスタッフの方には、
この場を借りて感謝したいと思います。

実務の現場では、こうしたサポート体制の存在に助けられる場面が少なくありません。


今回の件から得た教訓

今回の経験から、改めて認識した点があります。

クライアントが初めてShopifyアカウントを作成する場合、
所有権移行の前に「支払い通貨」を必ず確認すること。

具体的には、

  • クライアントのShopifyアカウント

  • [設定]→[請求情報]

  • 支払い通貨が JPY(日本円) になっているか

ここを事前に確認・調整してから所有権を移行すれば、
今回のような問題は未然に防げます。


なぜ見落とされやすいのか

この点が見落とされやすい理由は、実務上は明確です。

  • Shopifyの初期設定は直感的とは言い切れない

  • クライアントは「公開・完成」に意識が向きやすい

  • 制作側も所有権移行をもって作業完了と捉えがち

特に、Shopify初心者のクライアント案件では、
制作以外の設定部分まで含めて確認する姿勢が重要だと感じています。


まとめ:制作側で管理しておきたいポイント

最後に、実務的な観点でのまとめです。

  • クライアントがShopify初利用かを確認する

  • 管理者招待後、所有権移行前に支払い通貨を確認

  • 日本向けストアではJPY設定を前提とする

  • 移行後に問題が出るとサポート対応が必要になる

一見些細な設定ですが、
クライアントとの信頼関係に直結する重要なポイントです。

同じ立場でShopify案件に携わる方の参考になれば幸いです。


Shopifyストア制作をご検討中の方へ

実務の現場で培った知見をもとに、導入から納品・運用まで責任を持って対応します。
小さな疑問でも構いません。まずはご相談ください。