蕎麦屋で気付いた行動経済学のお話し。
「なやむ」行動が楽しい
蕎麦屋に行くと、頼むメニュー(もり大)は決まってるくせに必ずメニューを見る。
で、一応、なやむ。
上の写真のメニューだと、頭の中は(もり大)ベースなので(もり)+αのメニューに目が行く。揚げ玉やおろしへ・・・
「揚げ玉かあ、揚げ玉はすごいよ、天ザル同等に菜種あぶらのあの香ばしい風味を安く楽しめる、でもそばの香りの邪魔になるかな」
「おろしねえ、でも大盛り食いたいから後半おろし不足になるのが目に見える」
この「なやみ」が楽しいのだ。
なんだかんだで他も気になる
次に熱燗にあう一品ものをさがす。
ここでセオリーにはまりたくなる。「板わさ」が頼みたくなるのだが、ぐぐっとこらえる。
視線をひだりにずらすと・・・「煮込みおでん・・さつま揚げ、ごぼう巻き、ちくわ、こんにゃく、こんぶ。おお、練り物中心で食いごたえありだ、で500円!」たまごは入っていませんが及第点です。これだ!
・・・
メニューをぐるぐる見続けていると、やっぱり他のメニューも気になってくる。目に入るのは「えび天、野菜天に加えマイタケ天までのっている上天そば 2千円」や「言葉だけでおいしさが伝わってくる、あさりのかけつゆ煮 500円」。
これらは間違いなく記憶に残る。つぎはこれかな、、と。
メニューはライク・ア・ウィンドウショッピング
マネキンが身につけてる時計やバッグ、洋服。ウインドウショッピングは目移りが楽しい。
そんな目移りをしてしまう蕎麦屋のメニューは危険だ。
空腹時、欲求に直接訴えてくるからだ。
飢えているとき、生存本能により人間の能力は一時的に高まる。
だから余計なメニューを覚えてしまう。能力向上により想像力も豊かになるから「きっとこんな見た目で味はこんなだろう」と付加情報まで加えた形で。
まるで忘れられない男と女のようだ。
心に刻まれたからには・・次回来店は約束されたようなものだ。
欲求に直接訴える専門店
言うまでもなく蕎麦屋は蕎麦専門店だ。
専門店と呼ばれる店舗は文字通り「カテゴリ」や「目的」などターゲットを絞った品ぞろえとなる。
お客様に明確な目的があり、それに応える。だけどそれが退屈であってはいけない。選択を楽しく悩ませるエンターテイメント性が必要た。
専門店の商品ラインナップとリピート創出のヒントを蕎麦屋に見た気がした。
そんな興奮するメニューのある店舗運営を目指したい。