ターゲットをしぼり、ブランドカラーも伝える
目が悪くメガネをかけている。
酔って転びメガネが破壊されたので、同じ型で色違いのメガネを2本もっている。
それは「EFFECTOR」というブランドのメガネで、ブランド名+製品名称があまりに秀逸で嫉妬するレベルなのでちょっと深掘って考えてみる。
メガネブランド EFFECTOR® とは?
EFFECTOR®(エフェクター)は、アイウェアセレクトショップのオプティカルテーラー クレイドルのオリジナル・ブランドとして2005年にスタートしたジャパニーズ・アイウェア・ブランドです。”Rock On The Eyewear.”をコンセプトに、男らしく骨太なフレームワークが最大の特徴です。
ベーシックな中に東京らしい感性を取り入れながら、ハンド・メイド・イン・ジャパンにもこだわり、日本の眼鏡生産地で職人の仕上げによるしっかりとしたディテールも大切にしています。
ベーシックなモデル名のほとんどは、ギターなどに使われるエフェクターの名称に由来。ロック・カルチャーやアイコンをベースにしながら、ビートニク・カルチャー、カリスマアイコンなどをイメージソースにしたプロダクトも生まれており、そのオリジナリティはクリエイターやファッション・カルチャー方面からも支持されています。
上記出典にもある通りEFFECTOR=エフェクターとはギターなどの音色を変える箱型の機械のこと。
エフェクターなんて知らない人は一生知らない単語だが、ギター・ベースを弾く人や音楽好きな人にとっては、少しマニアックで親しみある単語。
ちなみにバンド仲間や音楽マニアとならエフェクターの話で酒が飲めるほどエフェクター界は奥が深い。ジミーヘンドリクスが爆音で鳴らすFUZZとMudHonneyがシアトルの腐れバーで鳴らすFUZZの違いは「趣」だ、、こんな具合で夜が更ける。
だから、《エフェクターというブランドのメガネ》に特に反応する人は「音楽が好き」というフィルターを通った人となる。だってそれ以外の人は「エフェクター」という単語を知らないのだから。
で、もちろん《エフェクターのメガネ》は音楽好きな人をターゲットに作られていて、エフェクター社の太いクロブチのメガネはロック・カルチャーをそのままデザインで表現できていると思う。
その結果、
エフェクター社のブランド名はターゲット顧客にのみ伝わることになり
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音楽好きな顧客が同社の製品をこぞって身につけることで
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エフェクター製品のメガネ業界での立ち位置が定まり
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《エフェクターのメガネ=ロック好きのためのメガネ》というブランド化が進み
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ユーザーは「価格」ではなく、その「価値」でエフェクターのメガネを買う、
・・・という流れが実現しているのだ。
これは、すごい!偶然のたまもののような気もするが、それも含めてロックだ。
製品名称で、買い物をエンターテイメントにまで高める
エフェクター社のメガネは製品名称もおもしろい。
普通、眼鏡屋で製品を見ていると製品名の表示には「SP-007XX」とか「WE-KJ09」などの型番が表示されていることが多い。
反面、エフェクター社のメガネ売り場には型番の代わりに「FUZZ」とか「CHORUS」といったギターエフェクターの名称が表示されており、加えてそのネーミングにしっくりくるデザインのメガネがネームカードの横に置いてある。
これが面白いのだ!
ギターエフェクターを選ぶときの気持ちをメガネを通じて再現している。
ギターエフェクターは自分のギターの音に個性を加えるために使う。
メガネは視力補正のほかに、自分の個性に色を加えるために使う。
だから慎重に選び、試し弾き=試着をし、散々迷い、やっとこ買う。集中して真剣に選んだ分、満足度は非常に高い。
買った後は、まるで勇気の出る映画(たとえるならやっぱりサボテンブラザーズだろう)を見た後のような気分になっている。
心が大きくなったような!明日からの希望に燃えるような!
名前をつけるのはタダ
どんなに優れた製品でも、開発費用30兆円かけた製品でも、ふつうの製品でも、名前をつけるのはタダ(無料)だ。
タダではあるがネーミングのアイデアは自分たちで考えなければならない。
愛着のある製品ならなおのこと、産みの苦しみは製品開発以上にあるかもしれない。
でも、絶対にやったほうがいい。
製品名称は先述のとおりお客様に届き売上に反映することはもちろん、社員のモチベーションにもつながる。
社内から「こないだXXXX(製品名称)が欠品して・・」「XXXXが売上1位だよ・・」なんて声が聞こえてくれば成功。
だって名前を呼ぶことは「愛情」だから。名前を呼んでもらえれば「愛(愛着)」が深まると考えている。
多くの人に呼ばれる「名前」を考えたい。