なにかの目的を達成するために使うのが「道具」。目的が達成するのであれば「道具」はなんでもいいのではないか?・・同じような「道具」のなかから自分の売りたい商品を選んでもらうにはどうしたらいいのか?・・・そんな時のヒントになれば。
世の中、ほとんどが同じような商品ばかりだ
先週の金曜、飲み会前に新宿のドラッグストアに「ヘパリーゼ」を買いに行った。「飲む前に飲む系」のドリンクって種類がたくさんあってよくわからないのだが、この手のドリンクの味が苦手なので比較的マトモな味(失敬)のヘパリーゼを選んでいる。
※ヘパリーゼは飲酒の30分前に飲むと悪酔いしにくいドリンクなのはご承知の通りかと
そしたらヘパリーゼの横に似たようなパッケージの「リバーゼ(確かこんな名前)」というドリンクを見つけた。含有成分はヘパリーゼ以上だが容量が少ない、つまり少しの量でヘパリーゼ以上の効果が期待できるってこと。ドリンク剤の味が苦手なので飲む量が少ないに越したことはない。
でも、なんか、胡散臭さがぬぐえんなあと少し悩んでいたら、それを見た店員のお姉さんが「少量でも効くから知ってる人はみんなこれを飲んでます」と教えてくれた。
「おお、そうですか、そりゃあ試さないと・・」とリパーゼを迷わず購入。で実際のところ効果も感じられた。(含む:プラシーボ)
大手メーカーの超有名製品より、メーカー名も知らない無名製品の購入を決めた理由は「(事情を知っている)店員さんのひとこと」にほかならない。
事例:今まで通りにやっていても売れない
運営していたPC周辺機器のネットショップでも同じような事例はたくさん経験した。
例えばUSBメモリなんか特徴を出しにくい最たる製品の一つだ。
販売していた売上イマイチな製品《USBメモリ RED(仮名)》の状況は以下であった。
- 持ち歩きを前提としているのでサイズが小さく競合品と同じようなデザイン
- データ転送速度はUSB3.0準拠でこれも競合と同一
- 中身のチップが信頼できるメーカーのものなのでデータ消失のリスクが低い
上記の3番が特徴の差がでやすいポイントなんだが、お客様にとっては正直どうでもいいポイントだ。そもそもUSBメモリのチップに優劣があること事態が知られていない。
だから「高信頼USBメモリー」などと陳腐なキャッチコピーで売っていた。
いいモノなのに売れない・・、どんないいコトがあるのか伝えきれていない・・、どうしたもんかなあ・・と悩んでいたが、同僚とのふとした会話の中で気がついた。
- 同僚A「自分はデータが消えるのが嫌なので、少し高いけど《USBメモリ RED》を使ってます」
- 同僚B「データが消えるくらいなら《USBメモリ RED》を選ぶよ、ほらこれ」
その後も同様の意見を多く聞いた。自社製品の中でも信頼度の高い《USBメモリ RED》を選び使用している社員が多かったのだ。
そこで、やや無理やりだがひねり出したコピーがこれだ。
当社社員の使用率ナンバー1モデル!大事なデータのやり取りに。
自分・自社・自店舗での「評価」をうたう
さきほどのメモリー、コピーを変えたら本当にお客さまの食いつきが変わった。
そう、冒頭のドラッグストアのお姉さんのオススメと同じ効果が生まれた。
自分だって、こんなコピーが書かれている製品があったら買ってしまう。
たとえば・・酒屋に麦焼酎を買いに行ったとする。
棚にはたくさんのボトルが並んでいるが、そのうちの一本のボトルにポップが貼ってあり「実は当店の店長が毎回買っている麦焼酎はこれです」なんて書いてあったら買いたくなりませんか?
自分用ならもちろんのこと、麦焼酎のことをよく知らない人が贈答用などで買い求める場合、かなりの確率で購買に結び付くのでは。だって酒のプロのお墨付きなんだから。
自分を含め店員・社員はお客様から見たらその道のプロ。だからいいものを知っていて当たり前。それを信じる人がいるのは当然だし自分もそうだ。
その知識や経験をお客様にコピーとして伝えるだけで店もお客も双方がハッピーになれる。
すばらしい!
後日追記:ここで紹介した無名ドリンク「リバーゼ」情報
先日購入したダイコクドラッグ新宿2丁目店に再訪し情報ゲットしてきた。
株式会社阪本漢法製薬とはマムシドリンクなどギンギン系の医薬品ドリンコを製造している会社であった。本社は大阪。すばらしい!
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